香港の中古携帯電話販売業者インノ・ホールディングス(INHD)の株価が月曜日に約3,661%急騰し、終値は39.49ドル近辺となった。同社がAIセールスエージェント構築の300万ドル契約を開示したことが背景。
この1日の急騰により、インノ・ホールディングスの時価総額は約9500万ドル増加した。これは契約額の約31倍に相当する。こうした市場の反応を受け、AIブームが同社の基礎的な企業価値を上回りつつあるのでは、との懸念が再燃している。
インノ・ホールディングスは冷間成形鋼構造物メーカーとして創業したが、その後、香港で中古携帯電話を扱う電子機器トレーダーへと事業転換した経緯がある。
AI事業への本格的な参入はさらに新しい動きで、今回の契約成立の2か月前となる4月の戦略計画で正式に打ち出された。
直近四半期の売上高は93万1911ドル、純損失は約108万ドルにのぼる。今回の300万ドル契約は、同社が2025年度に計上した売上高全体(285万ドル)を上回る。通期の純損失は約708万ドルだった。
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今回の上昇は、市場全体でAI関連株のバリュエーションが拡大するブームの最中で起きている。
こうした過熱感は、AI相場の過熱についてレイ・ダリオ氏の警告も招いた。なお、新システムは開発段階で商業利用は始まっていない。
株価急騰の背景には、上場維持を巡る長期戦もある。同社は2024年10月以降、3回の株式併合を実施した。いずれもナスダックの最低入札価格1ドル規則に対応するための1対4800の株式併合となる。
これらの併合に伴う希薄化も顕著だ。昨年12月の株式併合後、インノ・ホールディングスの発行済み株式数は約408万株だったが、5月初旬には新株発行を重ねて5040万株まで急増。その後、1対20の株式併合で252万株に再度リセットした。
契約成立の数週間前、同社はAegis Capitalと6000万ドル規模のAt The Market(ATM)プログラムを開設し、11月の5000万ドル枠を置き換えた。
このスキームにより、株主総会の承認不要で相場上昇時に新株を発行可能となる。こうした仕組みは上場市場全体で高まるAIバブル懸念にも通じる。
懐疑派からは、出来高の薄いマイクロキャップで物語性主導の投機が典型的に起こっているとの見方が出ている。
一方で、支持者は自動化によって薄利多売の中古市場でも収益性が向上すると主張しており、AI関連株は依然過大評価ではないとの声も根強い。
だが慎重論もあり、アーサー・ヘイズ氏は流動性の脆弱さを指摘する。
300万ドルの開発受注と9500万ドルの時価総額増との乖離は、なお本質的な課題として残る。
今後提出される報告書や、実際にシステムが商用化されるかどうかが今後の判断材料となる見通し。
