ソラナ財団がAIとブロックチェーンを融合させる新しい開発者向けツールキットをリリース
先週、スイス拠点の非営利団体である同財団は、AIプログラムが自律的にオンチェーン取引を実行できる「Agent Skills」を発表した。
このオープンソースのツールキットにより、開発者は1行のコードで事前構築済みモジュールをインストールできる。これにより、AIエージェントがソラナネットワーク上で自動化タスク、決済処理、資産取引などを行えるようになる。
同財団は、セキュリティや互換性に関する公式モジュールに加え、Jupiter Exchange、Raydium、Heliusなどの主要なソラナエコシステムプラットフォームから寄せられた60種以上のコミュニティ提供スキルを公開した。
ただし、同財団はコミュニティ提出ツールは公式に保証するものではないと注意喚起している。承認されていない分散型金融(DeFi)プロトコルと自律AIエージェントを統合することには根本的なセキュリティリスクが伴い、ツールキットへの収録は保証を意味しないと警告した。
このリリースは、暗号資産業界全体が「エージェンティック決済」と呼ばれる新興市場の獲得を目指している動きを象徴している。こうした取引は、AIによって人間の介入なしに開始・完了する。
昨年、コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーは、より多くの企業がこのAI主導の運用環境へ適応する必要があると指摘した。同社によれば、小売、物流、商取引プラットフォームを含めて2030年に5兆ドル規模の市場が生まれる可能性がある。
AI統合に特化したブロックチェーン基盤の急速な開発が進む一方で、現時点での市場需要はほとんどない。これは技術的な実現力と実際の採用の間に大きなギャップがあることを示している。
たとえば、既存のエージェンティック決済プロトコルであるx402では、過去30日間の取引高が約2400万ドルにとどまった。
さらにブロックチェーン分析会社Artemisは、「x402の『エージェント決済』ブームはいまだほぼ幻想に過ぎない」と指摘した。x402関連の取引件数は、12月に1日あたり73万1000件以上あったピークから、2月には1日あたり約5万7000件まで急減したという。
このデータからは、ソラナのようなネットワークがAI駆動型経済の基盤整備を進めているものの、それを支える事業者やユーザーはまだ参入していないことが明らかである。


