野村ホールディングス(8604)は現在 ¥1,542.5(2026年7月13日時点)、当社判断は「買い」。「中立から買いへ格上げ」「目標株価を引き上げ」——証券最大手である同社に対し、他の証券会社の評価が相次いで上向いている。日本株の活況で手数料やトレーディングの収益が改善し、株価は17年ぶりの高値圏に浮上、PBR(株価純資産倍率)も1倍前後まで回復した。それでも予想PERは約10倍、配当利回りは4%台と割安感が残る。アナリストの強気を後ろ盾に、その投資妙味を読み解く。
| 主要株価データ | 数値(2026年7月13日時点) |
|---|---|
| 現在値 | ¥1,542.5 |
| 52週レンジ(年初来) | ¥1,145 〜 ¥1,554 |
| 時価総額 | 約3.8兆円 |
| 予想PER | 約9.8倍 |
| 予想EPS | 約¥123 |
| アナリストコンセンサス | 買い・中立が混在 |
| 平均目標株価 | 約¥1,581(6カ月平均) |
同社は証券で国内最大手のグループだ。会社四季報の事業構成では、金融収益が連結の柱で、株式売買などの受入手数料、自己勘定のトレーディング損益が続く。個人向けの営業を重点強化しつつ、投資銀行業務や資産運用、未上場株など非伝統的な商品の開拓にも意欲的だ。収益は株式市場の活況度に左右されやすく、日本株が上昇して売買が活発になれば手数料やトレーディング収益が伸びる。相場に連動する「市況産業」の代表格である。
業績は改善している。26年3月期は収益合計が前期比14.5%増の2兆1,677億円、当期純利益は3,621億円と好調だった。日本株の先高期待や個人の投資意欲の高まりが追い風だ。5月には31年3月期の利益目標を引き上げ、中期の成長シナリオを示した。米オープンAIとの提携も報じられるなど、伝統的な証券業務にとどまらない事業展開への期待も高まっている。PBRが1倍を回復したことは、市場の評価が変わりつつある象徴といえる。
8604の値動きは、株式市場の活況と歩調を合わせてきた。3月9日の年初来安値¥1,145から水準を切り上げ、7月8日には年初来高値¥1,554を記録した。前年12月にはPBRが1倍を超え、17年ぶりの高値を付ける場面もあった。日経平均が節目を突破するたびに証券株への買いが入り、同社株も収益改善への期待から見直された。米オープンAIとの提携報道も、株価の押し上げ材料となった。
もっとも、市況産業ゆえの振れもある。4月には26年3月期の最高益が「織り込み済み」と受け止められて一時6.4%安となり、好決算でも自社株買いがないと失望売りが出る場面もあった。相場全体が調整すれば、証券株は真っ先に売られやすい。株式市場の追い風と、好材料の織り込み・相場変動への警戒が、株価のリズムを形づくっている。
同社株の予想PERは約9.8倍、PBRは1倍前後と、市場平均を下回る割安な水準にある。予想EPSは約¥123、配当利回りは4%台と、インカム面の妙味も大きい。時価総額は3.8兆円規模だ。下表に主要指標を整理した。
| バリュエーション指標 | 野村HD | コメント |
|---|---|---|
| 予想PER | 約9.8倍 | 市場平均を下回る |
| 配当利回り | 4%台 | インカム妙味が大きい |
| PBR | 1倍前後 | ようやく解散価値を回復 |
| 当期純利益 | 前期比増益 | 株式市場の活況が追い風 |
PBRがようやく1倍を回復した段階で、割安さの是正はなお途上とみることもできる。注目すべきは、他の証券会社の評価の変化だ。BofAが中立から買いへ格上げし、モルガン・スタンレーやJPモルガンも目標株価を引き上げた。前述の平均は約¥1,581で、中央値は¥1,650と、足元をさらに上回る。株式市場の活況が続き、収益の改善が定着すれば、割安な評価の是正が進む余地がある。
市場の評価軸を強気派と慎重派で対比した。論点は「株式市場の活況」と「収益の振れ」に集約される。
| 論点 | 強気派の見方 | 弱気・慎重派の見方 |
|---|---|---|
| 市場環境 | 日本株の活況で収益改善 | 相場調整で収益が振れる |
| 収益構造 | 個人営業・資産運用が安定 | トレーディングは変動大 |
| 株主還元 | 配当利回り4%台と厚い | 自社株買いの有無に敏感 |
| バリュエーション | PBR1倍前後で割安 | 市況株ゆえ倍率は低め |
| 新規事業 | 提携など非伝統分野に期待 | 収益貢献はこれから |
強気派は、日本株の活況による収益改善と、4%台の配当、割安なバリュエーションを評価する。慎重派は、市況次第で振れる収益と、相場調整時の反落を警戒する。実際、BofAが「買い」へ格上げし、モルガン・スタンレーやJPモルガンが目標を引き上げるなど、評価は上向きだ。株式市場の先行きをどう見るかで、証券株への強気度が決まる。
直近の名前付き目標株価は¥1,200〜¥1,800に分布する。
東海東京やモルガン・スタンレーは¥1,710〜¥1,800の上値を見込む一方、UBSは¥1,200の中立にとどまる。前述の平均は約¥1,581、中央値は¥1,650と、足元を上回る。レーティングは買いと中立が混在するが、格上げの動きが目立つ。当社が「買い」とするのは、日本株の活況による収益改善が続き、予想PER約10倍・配当利回り4%台・PBR1倍前後という割安さに、相次ぐ格上げが加わっているためだ。ただし市況産業ゆえ相場調整には弱く、押し目を意識した買い下がりが望ましい。
中期では、日本株の活況と個人の投資意欲の高まりが、手数料や資産運用の収益を支える構図が期待される。31年3月期の利益目標引き上げは、中期の成長シナリオへの自信の表れだ。リスク要因としては、株式相場の調整に伴う収益の悪化、トレーディング損益の変動、金利・為替の急変がある。当面の試金石は、四半期決算での収益の伸びと、自社株買いを含む株主還元、そして日本株市場の地合いである。市況に連動する銘柄ゆえ、相場全体の動向を注視したい。
予想配当利回りは4%台と高く、権利確定は3月末と9月末の年2回です。同社は業績連動の配当方針を採り、配当性向は約4割です。株式市場が活況で業績が伸びれば配当も増える設計で、高い利回りはインカムを重視する投資家に魅力です。ただし業績が市況に左右されるため、配当額も相場次第で振れやすい点は押さえておきたいところです。
PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回ると、株価が会社の解散価値を割り込んでいることを意味します。同社は長らくPBR1倍割れが続いていましたが、17年ぶり高値とともに1倍前後を回復しました。これは、市場が同社の収益力や資本効率を見直し始めた象徴とされ、さらなる収益改善が続けば評価の一段の上昇につながる可能性があります。
売買単位は100株のため、最低投資金額はおおむね15万円前後と、大型株のなかでは手の届きやすい水準です。新NISAの成長投資枠で購入でき、4%台の高い配当利回りが魅力です。値がさすぎないため少額から投資しやすく、日本株の活況に連動して値上がり益も狙える点が、個人投資家に好まれる理由です。
同社の収益は、株式の売買手数料や自己勘定のトレーディングなど、株式市場の活況度に大きく左右されます。日経平均が上昇して売買が活発になると、手数料収入や運用益が伸びるとの期待から証券株が買われます。逆に相場が下落すると収益悪化が意識されて売られるため、株式市場の方向感が同社株を動かす最大の要因です。
証券株は市況産業のため、相場全体が調整すると収益悪化への懸念から真っ先に売られやすい傾向があります。株式の売買代金が減れば手数料が減り、保有資産の評価損も膨らむためです。高い配当利回りが下値を支える面はあるものの、相場のボラティリティに株価が連動しやすい点は、投資する際に理解しておくべきリスクです。
免責事項
本記事は情報提供のみを目的としており、金融商品の売買を推奨・助言するものではありません。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談のうえ行ってください。
MEXCは「MEXCmize Your Opportunities」を掲げるグローバル暗号資産取引所です。170以上の国と地域で4,000万人を超えるユーザーに、3,000種類以上のデジタル資産(現物・デリバティブ)へのアクセスを提供しています。高い流動性と豊富な銘柄を強みとし、取引手数料無料などの施策で、安全で使いやすい取引体験を追求しています。