この記事の要点
イーサリアム(ETH)共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は2026年2月5日、自身のX(旧Twitter)への投稿を通じて、一部L2やアプリチェーンの「偽接続」を批判し、業界全体に警鐘を鳴らしました。
ブテリン氏は、プロジェクトの「外見」と「実態」が一致することが重要であり、イーサリアムと真に統合された価値ある技術のみがその名を称するにふさわしいと指摘しています。
また同氏は、EVM(イーサリアム仮想マシン)互換チェーンの乱立や楽観的ロールアップへの過度な依存に懸念を示し、プライバシーや低遅延など、独自の価値を備えた新技術の開発を呼びかけました。
今回の発言は、イーサリアムのスケーリング戦略見直しの文脈で行われたものであり、L2乱立依存からの脱却と、技術的実態と名称の一致したエコシステム構築を業界に促すメッセージとして注目が集まっています。
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ブテリン氏は「新たなEVMチェーンに楽観的ブリッジを付け加えるだけ」という手法の繰り返しが、想像力を枯渇させ、業界を行き詰まりに追い込んだと指摘しました。
さらに、ブリッジを持たない独立EVMチェーン、すなわち代替L1は「それ以上に悪い」と述べ、不要なチェーンの増加を強く非難しています。
その上で、ブテリン氏はイーサリアム基盤(L1)のスケーリングによって大半の需要はL1で吸収可能になるとし、AI活用など一層高いスループットや低遅延を求める領域には別途対応が必要だとの見解を示しました。
こうした背景を踏まえ、ブテリン氏は「新たな価値をもたらすL2の構築」が求められると述べ、プライバシーや用途特化、超低遅延など独自性のある設計の重要性を強調しました。
ただし、それに限るものではなく、独自の付加価値を備えることが重要だとしています。
さらに、イーサリアムとの接続性を示す上で「外見と実態は一致すべき」と述べ、マーケット発行や決済をL1上で行い、トレーディングだけをL2で処理する構成を「イーサリアムのアプリケーション」と評価しています。
一方で、政府レジストリやSNSがデータのハッシュのみをオンチェーン化するような形態については「イーサリアムではない」と断じつつ、アルゴリズム的透明性の観点では一定の意味があると指摘しました。
こうしたチェーンはEthereumらしさを装うのではなく、「こうした目的でEthereumを活用している」と正直に説明する姿勢が求められるとしています。
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ブテリン氏の発言を受け、主要なL2開発者らも相次いで反応を示しています。
オプティミズム(OP)共同創設者のカール・フレルシュ氏は、現状の「引き出し待機時間が1週間」という設計は容認できないとし、数十分〜1時間程度に短縮する方針を示しました。
また、アービトラム(ARB)を手がけるOffchain Labsのスティーブン・ゴールドフェダー氏は「スケーリングこそがL2の本質的価値である」と述べ、ArbitrumやBaseではすでに1秒あたり1,000件以上の処理能力を実現していることを強調しました。
さらに、ゴールドフェダー氏は、イーサリアムがL2に対して敵対的立場を取った場合、一部企業が独自L1を選択する可能性に警鐘を鳴らしました。
同氏は「このようなL2とL1の戦略的な調和こそが、今後のエコシステム分断を防ぐ鍵になる」と強調しています。
加えて、Baseの開発責任者ジェシー・ポラック氏も「L2が単なる”安価なイーサリアム”であってはならない」と述べ、アプリ開発支援やプライバシー機能、アカウント抽象化などに注力していることを明らかにしました。
ブテリン氏の指摘と各L2陣営の対応は、イーサリアムとL2の今後の共存・発展を左右する重要な論点として、業界全体の方向性に影響を与えています。
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Source:ヴィタリック・ブテリン氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像

