ギャラクシーデジタル（Galaxy Digital）、UAEでのプレゼンス拡大に向けてアブダビにオフィスを開設

ギャラクシーデジタルがアブダビにオフィスを開設

仮想通貨とAIに特化した米・金融サービス企業を展開するギャラクシーデジタル（Galaxy Digital）は、UAEアラブ首長国連邦および中東地域におけるプレゼンス強化を目指し、アブダビに新オフィスを設立したことが発表された。

ギャラクシーデジタルは、UAEの首都アブダビの国際金融センターであるADGMの登録機関の管轄下において、アブダビにオフィスを開設することを発表。この動きは、アブダビのADGMがデジタル資産イノベーションと地域金融の成長拠点であり、支援的な規制環境を備え、主要グローバルセンターとして台頭していることを浮き彫りにするものとなった。

ADGMの中心部に拠点を置く新たなオフィスは、3大陸にわたる同社のグローバル展開をさらに強固にするもので、Galaxyのブシュラ・ダルワザ（Bouchra Darwazah）マネージングディレクターが新設オフィスを率い、この地域におけるGalaxyのプレゼンス拡大を担っていく。

現在アブダビでは、ウォール街の有力企業を誘致しており、政府資本をブロックチェーンに投入するという二重戦略を実行することで、機関投資家向けデジタル資産の主要投資先としての地位を確固たるものにしている。

アブダビの主要ウェルスファンド投資部門が資産のトークン化を検討

ギャラクシーデジタルによるアブダビ新オフィスを開設とほぼ同時に、ムバダラ・キャピタルが、資産のトークン化を検討している事も明らかになった。

トークン化インフラプロバイダーKAIOとの提携を通じて、プライベートマーケット投資へのトークン化されたアクセスを検討しており、成功すれば、投資家は通常、取引が難しい非上場企業の株式をブロックチェーン上で直接売買できるようになる。また、ムバダラとKAIOのプロジェクトは、金融関係者がRWA（実世界資産）のトークン化へと移行しており、これには国債や民間ファンドなども含まれる。

ADGMの規制変更

ADGMは今年（2025年）初め、Chainlink（チェーンリンク）と了解覚書（MoU）を締結し、トークン化された資産に関する準拠フレームワークを開発することで、ブロックチェーンインフラと規制対象金融の橋渡しを目指して始動した。

また、6月にはADGMの規制当局FSRA（金融サービス規制機構）によって、デジタル資産規制の枠組みに重要な改正が実施されており、国際基準に合わせるため、正式名称を「暗号資産」から「仮想資産」に変更している。注目しておきたいのは、最も重要な新たな規則では、仮想通貨を 1 つの一般的な事業タイプとして扱うのをやめ、代わりに従来金融と同様に、顧客の資産保有、取引所運営、仲介などの特定サービスを個別に規制するようになったことである。