この記事の要点
仮想通貨データプラットフォームCoinGecko(コインゲッコー)は、2025年の中央集権型取引所(CEX)に関する年次レポートを公表し、Binance(バイナンス)が現物取引量シェアで首位を維持したことを明らかにしました。
同レポートによれば、バイナンスは約39%のシェアを占め、2位のBybit(約8%)、続いてMEXCやGate.ioが続きました。米大手コインベースは約6%で8位にとどまっており、バイナンスの圧倒的な取引量が際立っています。
こうした中、バイナンスを巡る風評被害(FUD)が2025年以降に再燃したものの、資金流出は限定的でした。根拠のない誤情報に起因する流出額は約6億ドル(約940億円)とされ、総準備金の0.3%に過ぎない水準にとどまっています。
実際、大規模なユーザー離脱は確認されておらず、FUDが取引所への信頼を大きく損なう状況には至っていないことが示されています。
こうした状況を受けて、バイナンス創業者のチャンポン・ジャオ(CZ)氏は自身のX(旧Twitter)で「信頼はユーザーが預けた資金に表れている」とコメントしました。
ユーザーの資金動向が取引所に対する信頼の裏付けとなっているという見方を示し、FUD下でも同社への支持が根強いことを強調しました。
SAFU基金第1弾「1,315BTC」取得
バイナンス、SAFU基金「第1弾」で約1億ドル規模のビットコイン取得完了
CoinGeckoのレポートでは、2025年の中央集権型取引所(CEX)市場における動向が分析されています。
画像:CoinGeckoレポートより引用
バイナンスは年間現物取引高で約7.3兆ドル(約1,150兆円)を処理し、トップ10取引所全体(約18.7兆ドル)の39.2%を占めました。前年比では0.5%の微減となり、横ばい傾向が続いています。
2025年12月の月間取引高は3,618億ドル(約56.8兆円)で、11月比では40%以上の減少となりました。CoinGeckoはその背景について「10月10日の歴史的な清算イベント以降、弱気相場が継続している」との見方を示しました。
市場全体が低調な中でも、バイナンスは取引所別シェアで首位を堅持しています。
バイナンスをめぐるFUD(風評被害)は2025年後半から再燃しており、一部の著名インフルエンサーが「取引所から資金を退避させるように」と呼びかける投稿も見られました。
2026年2月初旬には、一時的な出金遅延が発生し、これをきっかけにSNS上で不安を煽るような投稿が拡散されました。
しかしその後の分析で、こうした噂が事実無根であることが確認されています。
オンチェーンデータ分析企業CryptoQuantの創設者であるキ・ヨンジュ氏は、このFUDによる資金流出は約6億ドル(約940億円)と推定し「総準備金の0.3%にすぎない」と指摘しました。
さらに「根拠なきFUDによって”0.3%の流出ラッシュ”を引き起こせただけだ」と皮肉を込めてコメントし、大規模なユーザー離脱は起きていないと強調しています。
同時に、バイナンスに対しては市場構造に関するさまざまな憶測も飛び交いました。
例えば2025年10月10日に発生した仮想通貨市場の急落(通称「10/10クラッシュ」)について、大手仮想通貨取引所OKXの創業者である徐明星(スター・シュー)氏は「特定企業(バイナンス)の無責任なマーケティングが引き金だった」との見方を示しました。
これに対し、バイナンスは公式声明でこの見解を明確に否定しています。
同社が公表した詳細な調査レポートでは、約190億ドル(約3兆円)規模の清算連鎖は、ドナルド・トランプ氏による関税方針の報道や、世界的な金利上昇などのマクロ経済要因が主要因だったと分析されています。
実際、清算のピークは技術的トラブルの発生前に訪れており、市場全体の過剰なレバレッジが引き金となった構造的な現象と結論づけられました。
バイナンスは事実に基づく反論を通じてFUDの沈静化を図り、信頼回復に向けた対応を強化しています。
CZ氏、国家資産デジタル化に言及
CZ氏、国家資産トークン化「約12カ国と協議」新たな財政インフラ構想の関心高まる
2026年に入り、バイナンスを取り巻く環境には明るい材料も出ています。
2月4日公表のCoinMarketCapのレポートによれば、主要取引所の準備金ランキングでバイナンスは総額約1,556億ドル(約24.4兆円)と、2位以下を大きく引き離して首位に立ちました。
準備金の約30%(約474億ドル)がステーブルコイン、約32%(約498億ドル)がビットコイン(BTC)で構成されており、高い流動性と堅実な資産配分が示されています。
この規模の準備金は、市場のボラティリティ局面においてもユーザーの払い戻しに十分対応できる体制であり、同社の透明性確保の取り組みが市場で評価される一因となっています。
一方、規制面における不透明感も徐々に後退しています。
SEC(米国証券取引委員会)は2025年5月、バイナンスに対して提起していた民事訴訟を、政策判断に基づき自主的に取り下げました。
この決定は、2024年の米政権交代を受けた規制方針の転換の一環とされ、バイナンス側も「イノベーションを阻害する法執行型の規制が見直された画期的な出来事だ」と歓迎しています。
この訴訟取り下げと前後して、米国ではCoinbaseに対する訴訟も撤回され、主要取引所を巡る規制リスクは緩和の兆しを見せています。
バイナンスは、取引所としての信頼性を高めるべく、ユーザー保護策の強化にも継続的に取り組んでいます。
その一環として、非常時に備える「SAFUファンド(緊急保険基金)」を通じた追加のビットコイン購入など、資産担保力の強化を進めています。
こうした取り組みは同社に限らず、業界全体でも取引所の証拠金や準備金の可視化が進んでおり、透明性をめぐる競争が一層活発化しています。
世界最大の仮想通貨取引所として、今後も地位と信頼をいかに維持し続けていくのか、バイナンスの動向に引き続き注目が集まります。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.91 円)
>>最新の仮想通貨ニュースはこちら
バイナンス関連の注目記事はこちら
バイナンス、SAFU基金「第1弾」で約1億ドル規模のビットコイン取得完了
バイナンス、初のTradFi連動先物を提供開始|金・銀が24時間取引可能に
バイナンス、親管理型の子供向けサブアカウント「Binance Junior」を発表
Source:CoinGeckoレポート
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

ファイナンス
共有
この記事を共有
リンクをコピーX (Twitter)LinkedInFacebookEmail
機関投資家が求めているのはより多くのリスクではなく
